最近は、パブリックスペースとして、一般に作品展示会場を提供するところもあって、昔は、ギャラリーと言えば敷居が高く、
なかなか行くだけでも考えものでしたが、その傾向が少し変わってきています。
さすがに素人がデパートで個展をするのは、する側も相当に
念入りに準備をして、いかに集客するかを考えるのですが、
その時に一役かってくれるのが「花」であることは意外に
知られていないでしょう。
わざわざ「花」を見に入らせてもらいましたと、陶芸展に
入って来られることも少ないでしょうが、私は、作品展示会場で、
いかに花が重要かを知っているので、知人が陶芸展を開催すると
きき、お祝いに花を贈ることにしたのです。
最近は彩り美しい陶芸もありますが、知人のはドスンと落ち着いたものですので、私はこういうどっしりした器にこそ、
あの花はふさわしいと思い、胡蝶蘭を贈ったのです。
その道一筋の鍛錬に思われがちな芸道ですが、
実は、器を勉強する方は、そこに活ける華も勉強します。
知人のつくるものがその中でも、胡蝶蘭を活けると素敵な物で
あったので、胡蝶蘭を選んだのですが、もちろん花屋さんからは、器に入った胡蝶蘭を届けてもらいました。
少し離れたところから眺めると、器の上に、胡蝶蘭が
寄り添い絶妙な光景でした。